学生インターンを体験した石井さんの声
[2021年度夏季学生インターン参加: 石井菜々子プロフィール]
桐蔭横浜大学法学部3年生。
全国的にみても行政書士事務所でインターンができるのは「柏崎法務事務所」ぐらいだけでした。
▶︎行政書士の夏季学生インターンシップに応募した思ったきっかけは?
石井:もともと行政書士の仕事に興味があって、資格サイトなどに記載されていない実際の業務内容を知りたいと思ったからです。
それまでインターンシップの経験がなかったので、一度長期間のインターンシップを経験したいという気持ちがありました。
そんな時、大学から横浜商工会議所の「柏崎法務事務所」インターン募集の情報を知らされて、これはいいチャンスと応募しようと思いました。
実際、神奈川県内の行政書士事務所でインターンができるのは「柏崎法務事務所」しかなかったし、2週間という長い期間で仕事に密着できる点も大きな魅力でした。
▶︎応募しようと思った際に、迷いはなかったですか?
石井:企業PR書を読んだときに、「経験できること」の欄に「仮想案件で書類作成」と書かれていたので「わぁ、ハードル高そう!」と感じて、もう迷って不安しかなかったですね。
でもこんな経験はきっと社会人になってしまってからではできるものではないな・・・とも思って。
母にも相談をしたら「法律専門職はそこに就職をしない限り滅多に経験できることではないと思うよ。今のあなたの年齢で経験できることは何でも挑戦してみたら?今一番興味のある分野だし」と言われて、背中を押されました。
▶︎インターンシップに向けて何か準備をしましたか?
石井:特別なことはしていないんですが、会社の方針やどんな方が所長さんなのか、主にどのような業務を行っているのかをホームページで調べました。
あとは会社に失礼がないように、ビジネスマナーを勉強したくらいです。
柏崎:それが正解なんです。
よく「参加前に何か予習は要りますか?」という質問を受けますが、特に事前準備は必要ありません。
なぜかというと当所ではインターンシップが始まる前、行政書士の仕事の概要がわかるセミナー動画を見てもらいます。
動画や音声の講義を視聴すれば、会社設立に必要な書類など頭に入れておいた方がよい知識はしっかり学べます。
実際、行政書士についてネットなどで調べても具体的な仕事内容はわからないと思います。
行政書士の仕事を知るには、事前に案内するセミナー動画を見る、インターンに参加する、この2点につきると思います。
▶︎ そのセミナー動画を視聴した感想、印象的なことは?
石井:普通だと、行政書士として開業のメリットしか見えてこない内容の講義だと思いますが、デメリットや開業してはいけない理由といった説明もありますので、いいことばかりではないんだなぁと。
でも負の面も含めて本当のことを教えていただけると、逆に信頼ができる会社だと思えました。
セミナー動画を見ることで、漠然とした不安な気持ちも少し解消されたし、インターンに向けて肩の力が抜けた感じといったらいいのかな。
書類作成や、実際に役所で書類取得も行いました。
役所では社員の方が横で一つ一つ確認してくださるので、無事に取得できました。
▶︎ 「柏崎法務事務所」の第一印象について教えてください。
石井:事務所の周辺はとても静かで、所内はキレイだなと思いました。
それまで法務事務所と聞くと、正直お堅い感じで、何となくクセのある人が多そうなイメージしか持てませんでした。
でも、いざ入ってみると皆さんお話しやすい柔和な感じで、全体的にアットホームな雰囲気がして、ホッとしました。
▶︎ 1日目からどのような内容の仕事を体験しましたか?
石井:まず所内を案内していただき、1時間半ほど所長さんから仕事の流れなどの説明があって、疑問や質問にも答えてくださいました。
次に、登記簿謄本の取得に関するDVDを視聴しながら勉強をしますが、一人1つデスクワークスペースが用意されているので集中してじっくり取り組むことができます。
その後、先ほど見た内容を思い出しながら、社員の方と横浜地方法務局に行って実際に登記簿謄本の取得を行いました。
初めての経験だし、本物の書類なのでかなりドキドキしましたが、社員の方が横で一つ一つ確認してくださるので、緊張しながらも無事に取得できました。
柏崎:このようにインターンで行うのは、動画や音声を視聴する→書類を作成するという作業がほとんどです。
仕事内容を理解していただくには、音声教育と資料を使って学び、その後すぐに実践してもらう方法が最も効果的だと思っています。
石井:法務局から戻った後、またDVDの続きを視聴します。内容は医療法人設立の書類作成についてで、どんな書類を作成すればいいのか、必要書類は何か、役所からどんな要求をされるか、など学びます。
その後は、ある事例を課題(=仮想案件)として出され、「診療所開設許可申請書」「保健医療機関指定申請書」といった必要書類の作成に取り掛かります。
この場合は何と何の書類が必要だった??…考えていると頭が混乱してしまったり、全くわからない時もあって「どうしよう!?」とあせったり。
でも、近くにいる社員の方に聞きやすい雰囲気でしたし、所長さんも定期的に見に来てくださるので、難易度は高かったけれど何とかクリアできました。
1日目から本当に内容盛りだくさん。緊張感もあって、かなり疲れましたが…
2日目、3日目…と少しずつ職場の雰囲気にも慣れて、書類作成にも必死に取り組みながら社会人ってこんな感じなんだと。
柏崎:自分で必要な書類が何かを考えて作成していくこの時が、一番「仕事してるわ~!」と実感できるところだと思いますよ。
難しいかもしれませんが、「こんなこと聞いたら変かな…」と思わずに、
わからないことがあれば遠慮なく質問してくださいね。和気あいあいとした雰囲気なので、聞きやすいかと思います。
初日から結構スケジュールが詰まっているので、見ていても大変そうなのは伝わってきました。
しかし職場で社員と同じ空気感に触れて、実務に携わってみることは大切。
また、実際に法律書類の作成や、役所でのやり取りは、なかなか体験できないことなので、勉強になりますよ。
▶︎ 1日の流れはだいたいこのような感じですか?
石井:2週目からは、コラムの作成にも取りかかりました。それこそ、就活している学生に向けて私たちの日々の業務内容や感じたことなどを書きます。
さらには、これから医療法人設立を考える院長先生方へ向けたコラムも書きました。それまで学んだことを振り返り復習して、アウトプットするという意味でもコラムの作成は有意義だったと感じます。
夏季学生インターンシップの、とある1日のスケジュール
9:20 出社(インターンシップ開始時間9:30)
前日に配布されたメルマガを読みながら、所内の雰囲気を感じつつ開始時間待ち。
メルマガはやわらかい文章で書いてあるので、楽しく読めました。
9:40 ミーティング
1日の流れ、仕事内容について所長とインターン学生のミーティング。
視聴する講義の音声やDVD(今回は官公署書類判読実務と官公署利用について)、それらを文字起こしした資料、要約した資料も貰えます。
10:00 動画視聴
動画時間は長いため、資料を目で追いながらメモも取って・・・という作業は結構忙しく感
じるかもしれません。
11:30 書類作成
前日に作業途中であった「医療法人設立の手続き」に必要な書類作成を再開しました。
書類の作成は難しそうですが、実は前日に音声講義を聴いているので、それを思い出しながらすれば大丈夫。
13:00 休憩
各自、自由な時間に1時間休憩をとりました。
近くには山下公園があって、晴れた日はお弁当スポットにいいかも。デスクワークが長いのでお散歩がてらの外出はリフレッシュできそうです!
14:00 横浜地方法務局へ
休憩後は、とある医療法人の「履歴事項全部証明書」を取得しに横浜地方法務局へ。
1日目に所員と一緒に手順等を踏んでいるので、自信を持って挑戦しました!
事務所から法務局まで徒歩約10分かかるので、スニーカー等に履きかえた方がベター
かもしれません。
14:30 帰社
14:45 書類作成の続き
医療法人設立の手続きに必要な書類は結構多くて大変なので、わからないことは役所に問い合わせをしながら作成しました。
業務終了直前の時間が迫ってきたので、残りの問い合わせは明日することに。業務開始直後と一般的な昼休憩の時間帯も避けた方が良さそうです。
17:00 メルマガを読む
書類作成の参考、社会人経験としての観点から読み進めると、より有意義な時間になりました。
19:30 退社
日報を丁寧に書いてから退社。お疲れ様でした。
自分が目指す方向性を確信し
今、やるべきことが明確になった。
▶︎ インターンシップを経験してどうでしたか?
石井:そうですね、実際に行政書士の業務を経験してみたら、思っていた仕事内容と少し違っていたというのが正直な思いです。
想像以上にパソコン業務が多くて、簿記やエクセルの知識が必要だと身に染みて感じました。資格サイトに記載されている行政書士に関する情報が結構きれいごとばかりだなとも感じました。
あと、初めて社会人と同じペースの生活を過ごして、結構キツかったですね。大学生は朝から行くこともあまりないし、今はオンラインの授業も多いので余計ですね。とにかく朝起きるのが一番つらい(笑)。
でも、職場で皆さんが集中して仕事をされている姿勢や、会社の雰囲気を味わうと刺激になって、頑張らなきゃと思いました。
大変だけど社会人生活のサイクルやメンタルの保ち方を学ぶことができたし、就職するまでにやるべきことことを明確にすることができたので、人生経験としてためになりました。
▶︎ もし参加していなかったらどうなっていたと思いますか?
石井:昨年と変わらないダラダラとした夏休みを過ごして、就職活動に対して億劫になったり、自己嫌悪に陥っていたと思います。
▶︎この経験を通じて、行政書士の道に進もうと思いましたか?
石井:いえ、それが…実際に行政書士の仕事を体験してみて、業務内容がイメージと違っていたし、実は私、労務相談にも関心があって。
自分がやりたいことは社会保険労務士に近いことだなと改めて感じたんです。そういう意味では、インターンシップに参加したことで方向性を見極められて、とても役立ったと感じています。
柏崎:特に専門職は、経験してみないとわからないことが多いと思います。
弁護士や税理士などは誰もが知る職種でわかりやすいのですが、行政書士っていったい何をするんだろう?と疑問に思う人も多いのでは。
実際に仕事をしてみてイメージと違っていた、なんていうことは“専門職あるある”です。
そういう意味でも、夏季インターンシップは自分の進路を見直すために、また将来を考える時の選択肢の一つとして経験してみる価値は大いにあると思いますよ。
これから行政書士の学生インターンシップに参加する人へ
▶︎ これから行政書士の学生インターンシップに参加しようと思う人にメッセージをお願いします。
石井:やはり簿記やエクセルの知識は書類作成に必須ですので、大学に通いながらでも身に付けておいた方がいいと思います。
仕事の具体的な内容や流れは、実際に経験してみないとわからないことばかり。イメージしていても私みたいに「何か違った」と思う方もきっといるでしょう。
行政書士に限りませんが、興味を持った分野で体験のチャンスがあれば思い切って飛び込んでみると、気づきや得ることはたくさんあると思います。
はっきり言えるのは、ここの事務所で書類作成を経験すれば、就職後に必要なスキルが見えてきますよ。
柏崎:その通りですね。
「パソコンで文字を打つのが苦手」「エクセルは本当にわからん」この2つのうちどちらか当てはまる人は、インターン参加前に少し練習しておくことをオススメします。
行政書士の魅力は、 おそらく一般的な企業のサラリーマンよりもお客様とダイレクトに接することのできる仕事だと思います。相続などその人にとって一生に一度の人生に関わる大切なご相談内容ですので、やりがいも大きいですよ。
そして弊所の学生インターンでは、実際の行政書士のお仕事である書類作成や役所とのやり取りなどを経験することになるので、
一般企業法務と法律専門職との違いが分かり、改めて本当に自分に合った将来の方向性を見極め、今やるべきことや、必要なスキルを明確にすることができるでしょう。
そして、社会人と同じような就業形態でインターンを行うため、実際の社会人生活を経験できますので本当におすすめです。